人は芝生を見つけると、靴を脱ぎたくなります。公園の芝生、ショッピングモールの人工芝エリア。子どもたちは靴箱があるわけでもないのに、自然と裸足になり、走り出します。そこには地面の柔らかさがあり、足の指が自由に動く感覚があります。足裏が地面を感じ、身体が軽くなる。靴に守られた日常とは少し違う、身体そのものが目を覚ますような体験です。

人はもしかすると、裸足で地面に触れる感覚を本能的に求めているのかもしれません。足裏で地面を感じ、指を使いながら身体を動かすこと。それは、私たちが本来持っている自然な身体の使い方です。NEULOがミッドソールを設計するときに立ち返るのは、この感覚です。

地面を感じる。しかし、テンポよく歩ける。

人間の足は本来、土や草の上を歩くようにできています。しかし現代の都市生活では、一日の大半をアスファルトの上で過ごします。ソールが薄すぎれば足裏は過剰な衝撃を受け、厚すぎれば地面の感覚そのものが失われる。足裏には姿勢や重心を感知する受容器があり、その情報が分厚いクッションに遮られると、足はただ運ばれるだけの存在になってしまいます。

NEULOのミッドソールは、この二つの極の間にバランスを置きました。地面の情報が足裏に届く薄さを保ちながら、アスファルトの上を一日中歩いても疲れにくい、適度なクッション性を備えています。それが13mmという厚さのミッドソールに込められた思想です。歩行のリズムを邪魔せず、スタスタと歩を進められる中底です。

柔らかめのEVA、指に沿って屈曲する

素材には、柔らかめのEVAを採用しました。足の指が地面を蹴り出す動きに、ソールが沿うような動きを実現することを目指しています。

歩行の最後の瞬間、足の指は地面を押し出して推進力を生みます。しかしソールが硬く屈曲しなければ、指が地面を押そうとしてもソールが板のように突っ張り、その動きを止めてしまう。指は空振りし、本来発揮されるべき力が失われます。

柔らかめのEVAは、指の動きに合わせて素直に曲がります。前足部で大きく屈曲し、指が動いた分だけソールも一緒に動く。足の指がもう一度、歩行に参加できるようになります。

これは、NEULOがトースプリングを最小限に留めている設計思想とも直結します。多くのシューズは大きなトースプリングで歩行を補助しますが、その代わりに指本来の働きを肩代わりしてしまう。NEULOは、屈曲する中底と最小限のトースプリングで、指自身が地面を押し出す感覚を残します。

地面を感じる。同時に、足を守る。芝生の上を裸足で歩いたときのあの感覚を、都市のアスファルトの上で再現する。それが、NEULOがミッドソールに込めた問いです。

×

NEULO